敷引特約・最高裁判決

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敷引特約・最高裁判決

 いきなり最高裁判決で、びっくりさせてすみません。

 今後の敷引特約に関しては、この判決の額を守っていけば、敷引

特約、更新料に関して「消費者契約法第10条により、賃貸借契約

の敷引特約無効」とはならないということになります。重要な判例

です。ぜひこの判例を知っておいてもらいたいと思います。

 また裁判判決というものに普段触れたことのない方々にとっては

一度は見ておいていただきたい判決と考え、ここに掲載しました。


 まず判決要旨を見てもらいます。

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事件番号           平成21(受)1679
事件名             敷金返還等請求事件
裁判年月日         平成23年03月24日
法廷名          最高裁判所第一小法廷
裁判種別         判決
結果               棄却
判例集等巻・号・頁 
原審裁判所名       大阪高等裁判所
原審事件番号       平成20(ネ)3256
原審裁判年月日     平成21年06月19日

判示事項

裁判要旨          
1 居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約は,敷引
金の額が高額に過ぎるものである場合には,賃料が相場に比して大
幅に低額であるなど特段の事情のない限り,消費者契約法10条に
より無効となる 
2 居住用建物の賃貸借契約に付されたいわゆる敷引特約が消費者
契約法10条により無効ということはできないとされた事例

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●この裁判でのマンション賃貸概要

マンションの一室(専有面積約65.5u)

保証金    40万円

賃料     1か月9万6000円

礼金     礼金、一時金なし

更新時更新料 賃料の1か月分、礼金等他の一時金なし

明渡し時特約 締結から明渡しまでの経過年数に応じた額を保証金
       から控除し、残額を返還する。ただし未納家賃,損
       害金等がある場合は上記残額から控除した残額を返
       還する。

       経過年数     保証金からの控除額
       1年未満       18万円
       2年未満       21万円
       3年未満       24万円
       4年未満       27万円
       5年未満       30万円
       5年以上       34万円

 上記のマンションの賃貸で、明渡し特約について高裁で争われ、

最高裁まで持ち込まれたケースです。本件上告を棄却する、という

判決でした。

 明渡し特約については、下級審であちらこちらで争われてきたも

ので、今回の最高裁判決で、今後この判例が重要視されるものと思

われます。


 久方ぶりに南町奉行所(享保2年(1717)JR有楽町駅南側の千代

田区有楽町2−6)大岡越前守のお出ましである。おのおのがた頭が

高い、さがりおろう。ハハァー。


 新米家主さんにとって、これは少し・・・・・・と思われるかも

しれませんが、これを頭に入れて、今後の家主さん、賃貸経営をや

ってもらえばいいわけで、あえて法律という難しいものを掲載しま

した。

 次に判決理由抜粋を見てもらいます。

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●判決理由抜粋

 本件特約は,契約締結から明渡しまでの経過年数に応じて18万

円ないし34万円を本件保証金から控除するというものであって,

本件敷引金の額が,契約の経過年数や本件建物の場所,専有面積等

に照らし,本件建物に生ずる通常損耗等の補修費用として通常想定

される額を大きく超えるものとまではいえない。

 また,本件契約における賃料は月額9万6000円であって,本

件敷引金の額は,上記経過年数に応じて上記金額の2倍弱ないし

3.5倍強にとどまっていることに加えて,上告人は,本件契約が

更新される場合に1か月分の賃料相当額の更新料の支払義務を負う

ほかには,礼金等他の一時金を支払う義務を負っていない。

 そうすると,本件敷引金の額が高額に過ぎると評価することはで

きず、本件特約が消費者契約法10条により無効であるということ

はできない。

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 今回の最高裁判決は、

  1 敷引金の額を、経過年数に応じて賃料月額の2倍弱ないし
    3.5倍強

  2 更新料 1か月分の賃料

  3 「本件敷引金の額が,契約の経過年数や本件建物の場所,
     専有面積等に照らし,本件建物に生ずる通常損耗等の補
     修費用として通常想定される額を大きく超えるものとま
     ではいえない。」と、通常損耗等の補修費用、つまり自
     然損耗を認めていることになります。

 上記3点を認めていることになります。

 この判決の額を守っていけば、敷引金特約、更新料に関して「消

費者契約法第10条により、賃貸借契約の敷引金特約無効」とはな

らないということになります。重要な判例です。

●敷引きの最高裁判決、消費者契約法抜粋、民法抜粋をPDFファ
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