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競売ドキュメント・不動産裁判 41 【敷金】最高裁判例総集編と総まとめ

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競売ドキュメント・不動産裁判 41 【敷金】最高裁判例総集編と総まとめ




*【敷金】最高裁判例総集編と総まとめ





*敷金に対する最高裁判例は下記のとおりです。

 詳しくは

  【続】競売ドキュメント・不動産裁判 35〜40
   
   を参照ください。 



1.*災害で家屋が滅失した場合、敷引き特約適用不可。

家賃の不払い等があった場合は敷金から差し引くが、残額全
部返還しなければならない。敷き引き分を家主はもらえない。



2.*借主側の重過失火災で家屋焼失、借主は、借主が支払う損害

   賠償金から家主がもらった火災保険金を差し引いた「残りの

   損害金」を払う。だから敷金から「残りの損害金」を差し引

   いた敷金を返せというわけである。・・・だめ



3.*敷金返還は、特別の約定のないかぎり賃借人の建物明渡後で

   いい。同時履行の関係に立たない。



4.*敷金返還請求権は、明渡完了時残額がある場合に発生する。

  *賃貸借終了後明渡前に所有者が代わった場合、敷金は、新旧

   所有者の合意のみでは承継されない。



5.*敷金は、未払い家賃があれば充当し、残額があれば権利義務

   が新家主に承継される。



6.*期間の定めのない建物賃貸借は、短期賃貸借に該当。

   敷金は、前家主に対する賃料の延滞のないかぎり、地位の承

   継とともに、新家主にに移転すると解するのが相当。






*【敷金】総まとめ



敷金は賃貸借契約で賃借人から賃貸人に渡される金銭で、主に建物

に対するものが多い。

単なる預かり金ではなく、いろいろ条件付きで授受されるもので、

法律的には預かり金というより、条件付金銭の所有権移転という性

格が強い。敷金は、賃貸借契約から生ずる賃借人の債務を担保する

ことになる。



1.賃貸借契約終了時に賃借人の債務があれば差し引き返還するこ

  とになる。


2.敷金返還と建物明渡は、特別の約定のない限り同時履行の関係

  に立たない。完全に明け渡しを確認の後、敷金を返還すればい

  い。建物に対する損傷の見積もり等の関係で、何日後と決めて  
  いる場合がある。


3.家賃の不払いがある場合は、契約の期間中、終了後にかかわら

  ず賃貸人は敷金を充当することができる。しかし賃借人から、

  不払い賃料を敷金から差し引けとはいえない。


4.家賃不払い分を敷金で相殺できたとしても、不払いの月数が多

  い場合(判例から3か月以上であれば権利の乱用とはいえない

  ものと推定される。)には、賃貸人は、賃料不払いを理由に契    
  約解除することができる。

5.建物が譲渡された場合、敷金については、特別の約定のないか

  ぎり新家主に承継される。前家主から敷金を受け取っていなく

  ても、新家主が返還の義務を負うことになります。

  (俗に、「敷金持ち回り」「保証金持ち回り」といわれて、新

   家主が返還の義務を負う。)



以上で最高裁の判例に基づく敷金の法的解釈は終わります。地裁、

高裁止まりの判例もあるでしょうが、上告された場合は変わる可能

性もあります。しかし最高裁の判例は変わらないものと考えられま

すので、大いに参考にしていきたいと考えます。





しろうとで裁判をされた山田さん、山田さんの裁判では、下記判例

を証拠として提出されました。


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         最高裁判例


事件番号昭和 30(オ)332
事件名 家屋明渡請求
裁判年月日 昭和32年03月08日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集巻・号・頁 第11巻3号513頁
原審裁判所名 名古屋高等裁判所

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判示事項 相殺の遡及効が契約解除に及ぼす影響の有無。


裁判要旨 賃貸借契約が、賃料不払のため適法に解除された以

上、たとえその後、賃借人の相殺の意思表示により右賃料債務が遡

つて消滅しても、解除の効力に影響はなく、このことは、解除の当

時、賃借人において自己が反対債権を有する事実を知らなかつたた

め、相殺の時期を失した場合であつても、異るところはない。


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これは非常にいい判例です。

この判例以前に、敷金としては前述してきた諸判例がありますので

それらの判例でもよかったかもしれません。

それと、訴状では、簡潔に書くことがいいといわれていますが、山

田さんの場合、あまりにも簡潔に書かれていて、普通の家賃不払い

による契約解除、建物明渡という訴状になっていて、ガラクタを置

いて嫌がらせをされていることが訴状の表面上出ていません。

訴状しか読んでいないと思われる司法委員にもわかってもらうには

訴状にもう少し、そういう面も書かれたほうがよかったかもしれま

せん。






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