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競売ドキュメント・不動産裁判 39 【敷金】の法的解釈、最高裁の判例は? 5

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競売ドキュメント・不動産裁判 39 【敷金】の法的解釈、最高裁の判例は? 5




*敷金は、未払い家賃があれば充当し、残額があれば権利義務が新家主に承継される。



最高裁は次のように述べています。


裁判要旨


建物賃貸借契約において、該建物の所有権移転に伴い賃貸人たる地

位に承継があつた場合には、旧賃貸人に差し入れられた敷金は、未

払賃料債務があればこれに当然充当され、残額についてその権利義

務関係が新賃貸人に承継される。




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●5



最高裁判例
 


事件番号 昭和43(オ)483

事件名     家賃金請求

裁判年月日 昭和44年07月17日

法廷名     最高裁判所第一小法廷

裁判種別 判決

結果     棄却

判例集巻・号・頁 第23巻8号1610頁

原審裁判所名 大阪高等裁判所

原審事件番号

原審裁判年月日 昭和43年02月16日

判示事項 賃貸建物の所有権移転と敷金の承継

裁判要旨 建物賃貸借契約において、該建物の所有権移転に

        伴い賃貸人たる地位に承継があつた場合には、旧

        賃貸人に差し入れられた敷金は、未払賃料債務が

        あればこれに当然充当され、残額についてその権

        利義務関係が新賃貸人に承継される。

参照法条 民法619条,借家法1条1項

全文 全文



主    文

     本件上告を棄却する。

     上告費用は上告人の負担とする。

         
理    由

 上告代理人鈴木権太郎の上告理由について。

 原判決が昭和三六年三月一日以降同三九年三月一五日までの未払

賃料額の合計が五四万三七五〇円である旨判示しているのは、昭和

三三年三月一日以降の誤記であることがその判文上明らかであり、

原判決には所論のごとき計算違いのあやまりはない。また、所論賃

料免除の特約が認められない旨の原判決の認定は、挙示の証拠に照

らし是認できる。

 しかして、上告人が本件賃料の支払をとどこおつているのは昭和

三三年三月分以降の分についてであることは、上告人も原審におい

てこれを認めるところであり、また、原審の確定したところによれ

ば、上告人は、当初の本件建物賃貸人訴外亡Aに敷金を差し入れて

いるというのである。思うに、敷金は、賃貸借契約終了の際に賃借

人の賃料債務不履行があるときは、その弁済として当然これに充当

される性質のものであるから、建物賃貸借契約において該建物の所

有権移転に伴い賃貸人たる地位に承継があつた場合には、旧賃貸

人に差し入れられた敷金は、賃借人の旧賃貸人に対する未払賃料債

務があればその弁済としてこれに当然充当され、その限度において

敷金返還請求権は消滅し、残額についてのみその権利義務関係が新

賃貸人に承継されるものと解すべきである。したがつて、当初の本

件建物賃貸人訴外亡Aに差し入れられた敷金につき、その権利義務

関係は、同人よりその相続人訴外Bらに承継されたのち、右Bらよ

り本件建物を買い受けてその賃貸人の地位を承継した新賃貸人であ

る被上告人に、右説示の限度において承継されたものと解すべきで

あり、これと同旨の原審の判断は正当である。論旨は理由がない。

 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の

一致で、主文のとおり判決する。

     最高裁判所第一小法廷

     裁判長裁判官    入   江   俊   郎

        裁判官    長   部   謹   吾

        裁判官    松   田   二   郎

        裁判官    岩   田       誠

        裁判官    大   隅   健 一 郎



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(参考)



*【判示】(はんじ)

判決文などの中で、事実の認定や法の解釈について裁判所の判断を

示すこと。




*【信義則(信義誠実の原則のこと。民法第1条2項)】

一般社会において、共同生活をしていく以上、互いに相手の信頼を

裏切らないように誠意をもって行動すべきであるという原則のこと

です。

ある行為が権利の行使か、権利の乱用かは、信義則によって決めら

れるとになります。



*【抗弁】(こうべん)

民事訴訟で、訴訟当事者の一方が、相手方の申し立てや主張を排

斥するために、別個の事実を主張すること。




【民法】

(基本原則)

第一条  私権は、公共の福祉に適合しなければならない。

2  権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなけれ

ばならない。

3  権利の濫用は、これを許さない。




(同時履行の抗弁)

第五百三十三条  双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務

の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる。

ただし、相手方の債務が弁済期にないときは、この限りでない。



(賃貸借)

第六百一条  賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を

相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払

うことを約することによって、その効力を生ずる。



(期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ)

第六百十七条  当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各

当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合に

おいては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれ

ぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。

一  土地の賃貸借 一年

二  建物の賃貸借 三箇月

三  動産及び貸席の賃貸借 一日

2  収穫の季節がある土地の賃貸借については、その季節の後次

の耕作に着手する前に、解約の申入れをしなければならない。



(期間の定めのある賃貸借の解約をする権利の留保)

第六百十八条  当事者が賃貸借の期間を定めた場合であっても、

その一方又は双方がその期間内に解約をする権利を留保したときは、

前条の規定を準用する。



(賃貸借の更新の推定等)

第六百十九条  賃貸借の期間が満了した後賃借人が賃借物の使用

又は収益を継続する場合において、賃貸人がこれを知りながら異議

を述べないときは、従前の賃貸借と同一の条件で更に賃貸借をした

ものと推定する。この場合において、各当事者は、第六百十七条の

規定により解約の申入れをすることができる。

2  従前の賃貸借について当事者が担保を供していたときは、そ

の担保は、期間の満了によって消滅する。ただし、敷金については、

この限りでない。








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●●最高裁判所等の【判例】調査方法●●



最高裁判所等の判例検索方法


1.裁判所ホームページ 

    http://www.courts.go.jp/

    裁判所ホームページをクリック。


2.ホームページ右上「裁判例情報」をクリックする。

「判例検索システム>検索条件指定画面」になる。


3.左側 「統合検索」の下の「最高裁判所判例集」をクリック

「最高裁判例 検索画面」になる。


4.その画面の「特定検索」は事件番号等がわかっているときに使

う。


5.わからないときは「詳細画面」を使う。

「民刑区分」の「民事」の箱にチェックを入れる。


6.そのあと、一番下の「全文」の検索窓を使う。

全文の最初の窓に検索語句「○○○○」を入力。

複合語句の場合は、その下に「and」の文字があるが、その下の

窓に「○○○○」を入力する。つまり両方の語句を含むけんさくで

す。


7.一番下の「検索」をクリックする。

何件か検出される。


8.検索された判例の左側の「最高裁判例」をクリック。

判例の内容が表示される。


9.判例の内容の一番下に「全文  PDF全文」という文字があ

る。「PDF全文」をクリックすると、「主文」「理由」のPDF
 
ファイルをダウンロードできる。


*****************************




(続く)

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