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競売ドキュメント・不動産裁判 24 第1準備書面作成、提出

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競売ドキュメント・不動産裁判 24 第1準備書面作成、提出




*山田は、第1回口頭弁論で弁論したものを含め、第1準備書面 を作成 裁判所に提出した。


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事件番号  平成○○年(ハ)第○○号
      建物明渡等請求事件
原告    山田太郎
被告    田中茂子

       第 1 準 備 書 面   

  平成○○年○○月○○日
○○簡易裁判所民事係 御中
              原 告  山 田 太 郎 印

第1 被告の主張(答弁書)に対する答弁

1 答弁書3 「平成○○年7○○月○○日賃貸礼金50万、賃貸

敷金50万を支払っています。」については、不知。

2 答弁書4 「家主は目的物を完全な形で貸す義務を負っている

にも係わらず、大家としての責務を果たしていない。1.床が朽廃 
2.門扉腐食 3.手洗の混合栓の水が出ない。」については、本

件訴訟の請求の趣旨、請求原因から逸脱しており、且つ被告の意図

するところが不明であり破棄。

3 答弁書「その他の案」については、本件賃貸借契約は、被告田

中茂子氏と協議説明等を行い、署名押印等取り交わしたものである。

被告の夫、田中元三氏は本件賃貸借契約には関与していない。

第2 原告の主張

1 敷金について 本件建物は、競売物件であったものを原告が落

札したものである。被告は落札時、本件建物の賃借人であった。

競売物件の落札時、敷金返還義務については原告が引き継いだもの

である。

2 敷金については、本件賃貸借契約書第6条2で「乙(被告)は

本物件を明け渡すまでの間、敷金をもって賃料、共益費その他の債

務と相殺をすることができない。」と規定されており、また同第6

条3で「甲(原告)は、本物件の明渡しがあったときは、遅滞なく、

敷金の全額を無利息で乙(被告)に返還しなければならない。ただ

し、甲(原告)は、本物件の明渡し時に、賃料の滞納、原状回復に

要する費用の未払いその他の本契約から生じる乙(被告)の債務の

不履行が存在する場合には、当該債務の額を敷金から差し引くこと

ができる。」と規定されている。(甲2)

3 本件賃貸契約を解除したにもかかわらず、被告は本件建物を占

有し続けている。

したがって敷金の返還はできない。また賃料等との相殺をすること

はできない。

4 乙(被告)が本件建物の占有を解き明渡す時点で、乙(被告)

が善良な管理義務者としての義務を果たしてきたか、乙(被告)が

故意過失を問わず本件建物に損害を与え復旧修理し,原状回復して

いるか等を見極めたうえ、原状回復ができていない場合は、それら

の債務不履行の額を敷金から差し引く。そのあと敷金に残余があれ

ば賃料の滞納分を差し引いていく。

5 被告の意図、主張するところは不明である。しかし敷金につい

て乙号証を提出することを考えれば、敷金をもって滞納賃料を相殺

すれば、ほぼ相殺できるのではないか、その場合賃料の滞納はない、

したがって契約解除は無効ではないかという独善的な主張が浮かび

上がる。

6 敷金の性格は前記第2の2で述べたところであり不動のもので

ある。しかし、仮に、敷金をもって滞納賃料等と相殺するという被

告の考えが真意であったとする。敷金は被告の原告に対する単なる

債権と仮定して、滞納賃料等と相殺するとしても、契約解除の効力

に影響はない。(甲6)

7 被告の原告に対する債権(敷金)と賃料債務との相殺の意思表

示は、原告の契約解除の意思表示の前になしていることが必要であ

る。被告は相殺の意思表示をしておらず、したがって契約解除の効

力に影響を及ぼさない。 


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甲第 6 号証


      
         最高裁判例


事件番号昭和 30(オ)332
事件名 家屋明渡請求
裁判年月日 昭和32年03月08日
法廷名 最高裁判所第二小法廷
裁判種別 判決
結果 棄却
判例集巻・号・頁 第11巻3号513頁
原審裁判所名 名古屋高等裁判所

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判示事項 相殺の遡及効が契約解除に及ぼす影響の有無。


裁判要旨 賃貸借契約が、賃料不払のため適法に解除された以

上、たとえその後、賃借人の相殺の意思表示により右賃料債務が遡

つて消滅しても、解除の効力に影響はなく、このことは、解除の当

時、賃借人において自己が反対債権を有する事実を知らなかつたた

め、相殺の時期を失した場合であつても、異るところはない。

参照法条 民法506条,民法541条

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         全 文

主    文

     本件上告を棄却する。

     上告費用は上告人らの負担とする。
         
理    由

 上告理由第一点について。

 相殺の意思表示は双方の債務が互に相殺をなすに適したる始めに

遡つてその効力を生ずることは、民法五〇六条二項の規定するとこ

ろであるが、この遡及効は相殺の債権債務それ自体に対してであつ

て、相殺の意思表示以前既に有効になされた契約解除の効力には何

らの影響を与えるものではないと解するを相当とする。そしてこの

事は相殺の自働債権者がその債権を有しておることを知らなかつた

ため相殺の時期を失した場合と雖も右の理を異にするものとは解せ

られないから、論旨は到底採用に値しない。

 上告理由第二点について。

 原審の認定した事実関係の下においては、本件被上告人のした解

除権の行使をもつて権利の濫用とは到底解することができない。論

旨は採用し難い。

 よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一

致で、主文のとおり判決する。
 
    最高裁判所第二小法廷

       裁判長裁判官  小   谷   勝   重

        裁判官    藤   田   八   郎

        裁判官    河   村   大   助

        裁判官    奥   野   健   一
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(参考)


【民事訴訟法】


(弁論能力を欠く者に対する措置)

第百五十五条  裁判所は、訴訟関係を明瞭にするために必要な陳

述をすることができない当事者、代理人又は補佐人の陳述を禁じ、

口頭弁論の続行のため新たな期日を定めることができる。

2  前項の規定により陳述を禁じた場合において、必要があると

認めるときは、裁判所は、弁護士の付添いを命ずることができる。


(攻撃防御方法の提出時期)

第百五十六条  攻撃又は防御の方法は、訴訟の進行状況に応じ適

切な時期に提出しなければならない。


(審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の提出期間)

第百五十六条の二  第百四十七条の三第一項の審理の計画に従っ

た訴訟手続の進行上必要があると認めるときは、裁判長は、当事者

の意見を聴いて、特定の事項についての攻撃又は防御の方法を提出

すべき期間を定めることができる。


(時機に後れた攻撃防御方法の却下等)

第百五十七条  当事者が故意又は重大な過失により時機に後れて

提出した攻撃又は防御の方法については、これにより訴訟の完結を

遅延させることとなると認めたときは、裁判所は、申立てにより又

は職権で、却下の決定をすることができる。

2  攻撃又は防御の方法でその趣旨が明瞭でないものについて当

事者が必要な釈明をせず、又は釈明をすべき期日に出頭しないとき

も、前項と同様とする。


(審理の計画が定められている場合の攻撃防御方法の却下)

第百五十七条の二  第百四十七条の三第三項又は第百五十六条の

二(第百七十条第五項において準用する場合を含む。)の規定によ

り特定の事項についての攻撃又は防御の方法を提出すべき期間が定

められている場合において、当事者がその期間の経過後に提出した

攻撃又は防御の方法については、これにより審理の計画に従った訴

訟手続の進行に著しい支障を生ずるおそれがあると認めたときは、

裁判所は、申立てにより又は職権で、却下の決定をすることができ

る。ただし、その当事者がその期間内に当該攻撃又は防御の方法を

提出することができなかったことについて相当の理由があることを

疎明したときは、この限りでない。



    第二節 準備書面等

(準備書面)

第百六十一条  口頭弁論は、書面で準備しなければならない。

2  準備書面には、次に掲げる事項を記載する。

一  攻撃又は防御の方法

二  相手方の請求及び攻撃又は防御の方法に対する陳述

3  相手方が在廷していない口頭弁論においては、準備書面(相

手方に送達されたもの又は相手方からその準備書面を受領した旨を

記載した書面が提出されたものに限る。)に記載した事実でなけれ

ば、主張することができない。


(準備書面等の提出期間)

第百六十二条  裁判長は、答弁書若しくは特定の事項に関する主

張を記載した準備書面の提出又は特定の事項に関する証拠の申出を

すべき期間を定めることができる。

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*攻撃防御の方法・・・・・原告及び被告が、その攻撃的申立及び

防御的申立を支持するためにする一切の訴訟上の陳述を攻撃防御の

方法といいます。原告の主張に対して行なう陳述を抗弁という。こ

の抗弁に対して、原告はさらに再抗弁をもって対抗することができ

る。法律上の主張等、争点を明確にするために必要なあらゆる事項

をいいます。




(続く)

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